第7話 《from ラブイズ》7

『精神病なんて気のせい』
『気の持ちよう』
『薬に頼っちゃいけない』
『頑張ればなんとかなる』
『気合いが足りない』
そう思っていた。

仕事でそれで乗り越えてきたという自信があった。
たかが25歳の自信は恐いもの知らずだった。

上司に守られて。
後輩に気を遣わせていた。
それだけの男。
気付いていなかった。
傷つくという事。
不幸には差があると思っていて、自分が一番苦労していると思っていた。
――――――――――
―帰りの車の中。

二人とも黙っていた。
だけどどうしようもない。
入院とか言われてしまった。
アイハはどうしよう。

母親とは上手くいっていない。

仕事もどうなるのだろう。
というか私の人生はどうなるのだろう。

キキョウの気のせいではないか?

でも本当に病気なのか?
本当に無理なのか?

………………………

そのうちアパートに着いた。
「…ゴメンね。怒ってる?」
キキョウが口を開いた。

「いや?何でだい?」

「…だって私のせいでこんな事になって…」

「うん、でも仕方ないよ。大丈夫だ。なんとかなるさ!」

「…うん。ごめんね。本当に」

「なってしまったものは仕方ないんだし、後はこれからの事を考えよう」

「…うん…」

(自分がしっかりしなければならない)
そう思った。

結局、この後
キキョウは入院する事となる。
from ラブイズ

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