第10話 《from ラブイズ》10

キキョウが入院して一週間目にはじめての対面の日があった。

「ばぱー!はやくままのとこいこー!はやくはやくー!」とアイハがまくし立てる。

「10時からだからもう少しだよ」となだめても、
「え〜はやくままとこいくぅ〜!」
と待ちきれない様子だった。

それは私も一緒だった。

一週間もアイハから離れればキキョウも寂しいだろう。
そして、どこまで体調は良くなっただろうかという淡い期待。

一週間ぶりに会ったキキョウは少しやつれているように見えたが元気そうだった。

嬉しそうに抱きつくアイハ。

病室の中で友達も出来たと言っていた。

(…精神病の友達なんて作るな)と本気で思った。
そして気のせいかほんの少しアイハに対して、キキョウの態度がよそよそしさを感じた。
なんだかんだ1時間の面談はあっという間に過ぎてしまった。

そしてまた、キキョウとの別れ。

泣き叫ぶアイハ…。

退院すればまた元に戻る。
退院すればまた元に戻るんだ。
そう呪文のように自分に言い聞かせながら、妻の担当の先生から話を聞いた。

from ラブイズ

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