第11話 《from ラブイズ》11

「ご主人さん………という訳なんです」

は?

一瞬自分の耳を疑った。

「え?どういう事ですか?」

「…つまり、奥さんは病気じゃありません。性格的因子によって何もしたくないだけなんです。ただの神経症です」

!?

病気じゃないと聞いて嬉しい気持ちもあったが、同時にすごく違和感を感じていた。

では何故入院とかするんだ?

子供に辛い思いをさせてまで?

なんでキキョウはあんなに辛そうなんだ?

性格的因子?

今までの生活は何?

何でもない時だってあったじゃないか!?

…というか心療内科の医師と診断違ってないか?

「はい、なので奥さんにはこれから少しずつ神経症という事を伝えていきます」

「…はぁ…そしたら妻はいつ良くなるんですか?」

「…それはわかりません。明日急に良くなるかも知れませんし、10年かかるかも知れませんし…」

なんか、やっぱりすごく違和感を感じた。
けれど、とりあえず医師のいう事だしその場は納得したフリした。

すぐには治らないと聞いて目の前が暗くなった感じがしたのを覚えている…。

いや…もうずっと頭がすっきりとしない。

私の家族はいったいこれからどうなってしまうんだろうという不安…

…そろそろ、限界に近付いている自分がいた。

でも、自分を必死に押し殺した。

私がしっかりしなければならない。私がしっかりしなければならない。私がしっかりしなければならない…

頭の中ではその言葉がぐるぐると回った。

from ラブイズ

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