第48話 《from ラブイズ》48

キキョウがまた実家に帰っている最中、アイハが時々「頭が痛い」と訴えてきた。

ストレス性の頭痛。

母からは聞いていた
最近アイハが原因不明の頭痛が多い事を。

「薬だよ」と片栗粉を少し飲ませて心臓の音が聞こえるように抱いてあげる。
ある日の夜、アイハは急に暗くなり、何を話かけても反応が薄くなった。
そして「ママ…ママ…どこ…」と言い出し、目が虚ろになりながらポロポロと涙を流しはじめた。
アイハを抱っこした。
辛くなって泣いた。
アイハが可哀想だと思った。

ほんの一時間前にキキョウに電話したのだが、また電話をした。

しばらくアイハは泣きながらキキョウの声を聞いていた。

ママ…ママ…どこにいるの…?

わずか三歳の時から母親と離されたアイハ。

辛かった。

しばらくしてキキョウと電話を代わった。
早く環境を整えて帰って来てくれの言葉に、
「アンタが帰ってくるなって言ったんでしょう!」と怒鳴られた。

そして「今簡易裁判所で訴えを起こしてやるからな!オマエとオマエの母親のせいでこんなことにしやがって!会社にも電話入れて恥かかせてやるからな!」
とのたまっていた。

裁判…?
本当に頭のオカシイ人だと思った。

勝手にしろ
もう知らない

キキョウに「早く帰って来るんだ。話しをしよう」と言って電話を切った。

電話を切った後、アイハと少し話をした。
キキョウの病気の事
一緒にいるとこう大変な事がある事
理不尽な事がある事
アイハも苦労するという事
なるべくみんなが幸せになる方向で進みたいと思っている事
アイハが大切だという事
アイハは真剣に聞いていた。

今までなるべく普通に生活させてやりたいと思ってやっていたが、これからはそうはいかない。アイハは母親の病気を受け入れなければならない。
辛いが仕方なかった。
アイハを寝かしつけた。

…色々なかなかうまくいかない…
…疲れた…
少しばかり苦労して生きる事が馬鹿らしく感じた。

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