第52話 《from ラブイズ》52

最近キキョウの体調がおもわしくない。

先日、アイハの授業参観があったそうだが、何か保護者会での役をつけられそうだという事らしい。

「体調不良なので出来ない旨を伝えたら?」と言うと、「病気を知られたくない」と言う。
「じゃあ、簡単なのにしたらどうだい?」と聞くと、「体調悪い時もあるから出来ない」と言う。
お風呂に入っている時まで戸を開けて話を聞いていたので風邪をひいてしまった。

いよいよ「あれも嫌だこれも嫌だ」と言うので『権利と義務の話』をした。

『義務も果たさないと権利も主張出来ないんだよ』と。

そして、「病気の説明はしなくていいから、きちんと代表の方に体調不良を伝えた上で、仕事が出来ない事もあるかも知れないけど、なるべくお手伝いしたい気持ちはありますので、ご迷惑おかけするかも知れませんが私に出来る事はございますか?がとりあえずいいんじゃないか?」と伝えた。

それで鬱に突入だ。

その日は泣き続け、ベッドでは寝ないと言うのでソファに毛布を置いて、私は自分のベッドで寝た。

翌日
もちろん朝は起きない。
夜、アイハから電話が来た。

「んとねぇ、ママがねぇ、ごはん作れないからおばあちゃんの家に行っていいかパパに聞いてって」とのこと。
「何でパパに聞くんだい?」と問い掛けると「ママー!パパがなんでパパに聞くの?ってー」とキキョウに確認。
奥からキキョウの怒った声で「そしたらいいッ!!」と声が聞こえた。
アイハも「ママがいいって言うから切るねー」と悲しい声を出した。
仕事があるのでとりあえずなるべく早く終わらせて帰宅した。

ソファの上で毛布一枚掛けて眠っているキキョウ。
寝ているのかを確認してシャワーに入る。上がってみると物凄く不機嫌な顔をしたキキョウがむっくり起きていた。
あまり話かけず、じっとしていると「寝たら」と声がかかったので寝室に向かった。勝手に寝ると怒声が飛ぶのでただじっとしなくてはいけないのだ。

そして次の日。朝は起きてこず、何事もなく仕事へ行き、そして夜帰宅。

キキョウが一階にいないのでシャワーを浴びて食事をして寝ようとすると、何故かアイハの遊び部屋で一人で毛布にくるまってキキョウが寝ていた。
「…キキョウ…こんなところで寝ていると風邪をひくよ…」
静かに肩を揺らし起こすと恐ろしい顔で睨まれた。
思わず「ヒッ!」と声が出た。
心臓に悪い。

声を出すと罵声を浴びせられるので黙る。
一階に行ってタバコを吸いだしたので黙ってソファに座っていると「寝ていいよ」のお声がかかる。
「お休み」と二階のベッドに行く途中、キキョウが外に出ようとしていたが無視をして上に上がると、何やら下から物騒な音が聞こえてきた。
無視が気に食わなかったのだ。

ガシャーン、ドターンと物に当たっている様子だ。
私は貝になる。
しばらくして寝室に来て横にある窓を開けて外を大袈裟に覗き込む。おそらくここから飛び下りるぞ!というアピール。

寝たふりをする。
ひたすら貝になるように努めた。
戸が壊れるのではないかというくらい不機嫌をアピールした閉め方でキキョウは一階に降りて行った。

そして、翌日。
朝はさりげなく出勤。
緊張しながら帰宅するとようやく大人しく寝室のベッドで寝ていた…
最近新しいプロジェクトが入り、仕事が忙しくなり朝早く出勤をしていた。

半月前にキキョウにその旨を伝えたら「応援する」との話だったが…

足を引っ張られている。

朝の6:30に出勤して夜22:00帰宅はキツイ。
君のように昼寝てる訳じゃないのだ。

一人になりたい…
そう思った。

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