第53話《from ラブイズ》53

【一つ自分の思い通りにならないと相手の全てが嫌になる】
おそらくこの精神障害の症状を端的にとらえた言葉の一つだと思う。

以下昨日の夜、就寝前の居間での会話だ。

「あ、そうそう、アイハの歯医者の日曜日やっているところの11:30に予約したから連れて行ってくれるかしら?」
「うん?いつもの歯医者はどうしたんだい?」

※近くの歯医者 自転車で7〜8分 平日のみ
日曜日の歯医者 車で10分

先日、キキョウはアイハを近くの歯科に連れて行かなきゃな…と言っていた。

「いや日曜日も空いているからいいと思って…」

「何か私に予定が入ったらどうするんだい?普通予約取る前に私に聞かないか?」

「日曜日潰れるのが嫌なんでしょうッ!?」

「そういう話じゃないよ。私に用事があって行けなかったらどうしたんだい?」

「…連れて行くよ…」

「まず、相手の予定を聞こう。そう思わないかな?
後、歯医者くらいなら学校終わってから近所の歯医者に連れて行けないか?」

「子育てに参加してよ!もうお母さんに頼りたくないの!」

「いやいや、子育てに参加しないとかの話じゃない。自分で連れて行けるだろう?私だって会議とかで日曜日行けないときだってあるんだよ?アイハの事考えるのだったらそっちの方がいいんじゃないか?」

「もう知らない!私が悪いんでしょうッ!」

そしてそれだけ言うとプイッと寝てしまった。
これで彼女の頭の中では『子育てに参加しない最低の男』が出来上がる訳だ。

つまり、自分の言い分が認められないとき、自分の都合のいいように物事を解釈し、また、それを周りに吹聴する。そして周囲がそれに同調してくれた時にはじめて本人は安心するのだ。

そこには最初の重点項目である『子供を歯医者に連れて行く』という話は鳴りを潜め、『いかに自分を分かってもらうか』という話に刷り変わって行く。
その為に相手のアラを探す。

それは言葉であったり態度であったりする。
そして相手を悪い部分を誇張し、自分を正当化していく。
特にボーダーラインの方はそのような状況を作り上げるのが得意であり、また、その行為について一切の罪悪感を持たない。

しかし、
それを分かっていたとしても、周囲の悪意のある目は私の心に刺さる。
それは確かに私の言い方も悪い場合があると思う。

でも、私も完璧な人間ではないのだ。
うまく伝えられない時だってある。

理路整然と話をすると、「口がうまいから言いくるめられる」と言われる。

私は完璧な人間ではない、アラはある。

それが病気の症状と分かっていても、
悪意のある言葉は心に刺さる。
悪意のある視線は心をえぐる。
私も人間だから。

from ラブイズ

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