第107話 《キキョウ》22

私が他の男性と話してたことに激情した彼が唐突に私に怒鳴り声をあげた。

彼があんなに大きな声を出したことにびっくりして、その時私は泣き出してしまった。

一緒に話していた男の人は、ただのクラスメートで、彼のセミナーにも参加していたいわゆる見知った人だった。

その人は彼にびっくりして謝罪をし、そそくさと居なくなった。

その後で彼は泣いている私に何度も何度も謝罪して、女性を好きになったのが初めてで、自分の感情が抑えきれ無かったと話してくれた。

私はただびっくりしただけですぐに泣き止んだので、その時はそんなこともあるのかも知れないなぁ位にしか考えなかった。

後から思えばあれは『見捨てられ不安』からくるものだったと思う。
それを期に彼の束縛はひどくなっていったのだけど、若い私はそれも彼の愛だと何となく受け入れていた。

彼は家族が欲しいと言った。
私との目に見える絆が欲しいと言った。
プロポーズも受け、結婚を前提にお付き合いもしていたし、私は何となく彼のアパートで一緒に暮らし出した。

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