第119話 《回想》4

…もう…何も感じない…

何も思わない…

後はマシンに入るだけだ…

係りの者に車椅子で私は連れられて行った。

手術室へ向かう途中、キキョウとアイハがやってきた。

私は一瞥もせずにただ真っ直ぐを見詰めていた。

アイハが何か叫んでいたが、私は何も感じなかった。
…心とは…

一体何なのだろうか…

ただそんなことを考えて手術へ向かった。

———————–
手術前、サイトウが私に話し掛けてきた。

「よしラブイズ、始めようか。
ひょっとしたらこれが君との最後の会話かも知れない。
何か言いたいことはないかい?」

「…心とは…なんだ?」

「心…
…そうだな…
思考、意識、感情が作るもの…とでも言おうか…
なぜそれを考えるんだいラブイズ?」

「…キキョウが言ったんだ…
心は…脳だけで感じるものではないと…」

「…ふぅむ…
興味深い意見だね。
君はどう思うんだい?」

「わから…ない…
だから…ここに…いる…
けれ…ども…
思う…ところは…ある…
胸が…

…感…情…
い…たい…

…」

「ラブイズ
ラブイズ…

よし…入ったな…

麻酔の確認をしてくれ。
これよりSFNS前尖頭術を始める!
皆…宜しく頼む…!」

…キ…キョウ…
アイ…ハ…
……………

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