AM7:30
ブゥンブゥン
携帯電話のバイブレータがベッドの脇で振動を鳴らし続ける。
博士は眠い目をこすり、眼鏡を掛けて画面に目をやると病院からだった。
「はいサイトウだが」
「あ!博士!朝から申し訳ありません!主任の姿がありません!」
「何!?ラブイズが!?トイレじゃないのか?」
「はい!6:30の巡回で姿が見えなかったので7:00にまた見に行っても居なかったので、とりあえず周りを探しましたが見当たらなくて…昨日の0:00に確認した時はベッドで寝ていたのですが…」
「監視カメラや心電図などは確認したのか?」
「はい、点滴や心電図等は外されており、監視カメラでは0:30過ぎにここを出たことが確認されています…」
「まだ体力は完全に回復していないはずだ!
どこに行ったんだラブイズ!
とりあえず私は家族に連絡を取る!君達は辺りを探してくれ!」
「分かりました」
「宜しく頼む」
プツン―
プルルルルルルル…
「はい博士、おはようございます」
「キキョウ、ラブイズは来ていないか?」
「ラブイズ?来ていないですよ?
!
彼、いないんですか!?」
「あぁ、朝からすまない。今連絡が来て、昨日の夜中からいないらしい。君達のところへ来ていないとなると…
キキョウ。ラブイズのアパートへ行ってくれるかい?」
「わかりました!また連絡します!」
「すまないキキョウ。頼む」
プツン―
「一応ラブイズの携帯にも掛けてみるか…」
プープープー
(お掛けになった電話は電波の届かないところにおられるか…)
プツン―
「ラブイズ…どこへ行った…まだ意識も混濁しているかも知れないというのに…」
そう言いながら博士は手近なコートを羽織り、足早に大学へ向かった。