第121話 《逃避》2

AM7:30
ブゥンブゥン
携帯電話のバイブレータがベッドの脇で振動を鳴らし続ける。

博士は眠い目をこすり、眼鏡を掛けて画面に目をやると病院からだった。

「はいサイトウだが」
「あ!博士!朝から申し訳ありません!主任の姿がありません!」

「何!?ラブイズが!?トイレじゃないのか?」

「はい!6:30の巡回で姿が見えなかったので7:00にまた見に行っても居なかったので、とりあえず周りを探しましたが見当たらなくて…昨日の0:00に確認した時はベッドで寝ていたのですが…」

「監視カメラや心電図などは確認したのか?」

「はい、点滴や心電図等は外されており、監視カメラでは0:30過ぎにここを出たことが確認されています…」

「まだ体力は完全に回復していないはずだ!
どこに行ったんだラブイズ!
とりあえず私は家族に連絡を取る!君達は辺りを探してくれ!」

「分かりました」

「宜しく頼む」

プツン―

プルルルルルルル…
「はい博士、おはようございます」

「キキョウ、ラブイズは来ていないか?」

「ラブイズ?来ていないですよ?

彼、いないんですか!?」

「あぁ、朝からすまない。今連絡が来て、昨日の夜中からいないらしい。君達のところへ来ていないとなると…
キキョウ。ラブイズのアパートへ行ってくれるかい?」

「わかりました!また連絡します!」

「すまないキキョウ。頼む」

プツン―
「一応ラブイズの携帯にも掛けてみるか…」

プープープー
(お掛けになった電話は電波の届かないところにおられるか…)
プツン―

「ラブイズ…どこへ行った…まだ意識も混濁しているかも知れないというのに…」
そう言いながら博士は手近なコートを羽織り、足早に大学へ向かった。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク