第124話 《逃避》5

「日本かー。私そういえば一回も行ったことないなー」

アイハが車の中で呟いた。

出産したら帰ろう
アイハがもう少し大きくなったら帰ろう
彼が落ち着いたら帰ろう
彼が戻って来たら帰ろう
と伸ばし伸ばしになっていた。

あれから18年になる…
父は元気だろうか…

最初のうちは電話をしていたけど「ああ」とか「おお」としか言わない父に段々話すことが無くなってその内手紙を書くようになった。

その手紙も段々頻度は減って今ではアイハの誕生日の後、年に一回送るだけになった。

年に一回、父はアイハの誕生日位に2万円を振り込んでくれた。

そして近況を綴った手紙を年に一回送る。
それだけになった。

…それより彼はなんで日本になんて行ったのだろう…
彼が病気になってからエキセントリックな行動はし続けたけれども、急に遠くに居なくなることなんてなかった…
博士は何か知っているのだろうか…
そう考えながら博士のところに到着した。

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