第126話 《逃避》7

かくしてアイハは日本へ行くことになった。

とにかく相変わらず彼に振り回されることは分かった。

私も取り乱してしまった。

アイハは「ママはママらしくしてていいのよ」と言ってくれるけれども、親として申し訳ない。

とりあえず気を取り戻してアイハの旅行の準備をする。

2〜3日分の衣服を用意しているとアイハが「自分で出来る」と言い出した。

年頃の娘か。
服は自分で選びたいらしい。

意外とアイハはオンオフの切り替えはうまく見えて、家ではジャージやスウェットで楽に過ごしているが、外では女の子らしい服装を好む。
こちらでは比較的自分に似合う服装を好む人が多いけど、アイハは日本の女の子の洋服に興味があるらしく、ネットで色々お小遣いで購入しているようだ。

そうしていると博士が迎えに来た。

空港でパスポートを受け取り、そのまま飛行機に乗る手はずを整えてくれている。

10:20フライトだ。

今からならギリギリ間に合う。

アイハはキビキビと準備を終わらせて博士の車に乗り込んだ。

「じゃあママ!行ってくるね!」

「パパを宜しくね」

「わかったよ!何かあったらメールするね!」

「じゃあキキョウ。行ってくるよ」

「博士…宜しくお願いします」

「うむ」
博士の古いセダンに乗ってアイハはずっと手を振っていた。

それからしばらくアイハと彼に会えなくなるなんて、その時は夢にも思わなかった。

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