第128話 《アイハ》2

はい!
TOKYOに着きました!

人がいっぱいです!

日本のおじいちゃんどこかなー?

あースマフォに電源入れてーの。

わぉ!メールいっぱい入ってるわ!

どれどれ…
キャシー?あぁー彼氏とケンカ?ハイハイ次々。
ママたくさん入ってるなー。

なになに?
んと。
パパ居たのか…

すぐ捕獲されたみたい。
ちょっと面白い。

ケドせっかくのパパ捜索大作戦は無しか…

まぁいいか。

あー日本のおじいちゃんの電話番号ね。これ大事。登録っと…

え…とパパと話したのか…
日本のおじいちゃんと話がしたかった?
ふぅん。電話でいいじゃん。

んで…ふむふむ。電話だと良くわからないからパパが何をしたかったのか良く聞いて…と
ハイハイわかったわかった。
パパってメンドくさいからねー。了解っと。

あーリカルドからも超メール来てるー

そういえばデートすっぽかしたー。
まぁしょうがないか。後でメールしよう。
でももう遊ばないっと。

えと…ハイハイ!
博士のメールアドレスと電話番号ね!
登録っと。

このメール博士の方のおじいちゃんのか…
なになに?
落ち着いたらパパと話をしたい…と。
うん、わかったよー。

ママは―
あ、これで最後か。
んと、日本のおじいちゃんの言うこと良く聞きなさい…か。
普通だな。

あ!荷物来た来た!

ハイよっと。

んじゃ行くかな。

さてさてー
出口は―?

あった!
てかパパ居た!
早ッ!
隣にいるのが日本のおじいちゃんかー。
…じゃがいもに似てるなぁ。

「パパー!おじいちゃーん!」

「アイファー」

アイファ?

てか殴られてるじゃーん!

もー日本のおじいちゃんもアクティブ過ぎ!

ちょっと面白いケド。
「もーパパ何やってんのよー大丈夫ー?」

「ごめんごめん。大丈夫だよ。
こっち、ママのお父さんだよ」

「あー日本語かぁ。久しぶりだなぁ。えーコホン。
初めマシテ!アイハです!おじいチャンヨロシクね!」

「あーうん」

まぁおじいちゃんあんまし喋らないって聞いてたし、こんな感じでいいか。

「とりあえずまぁ、パパはこれからどうしたいの?」

「あ…いや…少し日本にいようかと思って…」

「は?なんで?みんな心配してるから帰ろ?」

「いや…日本のおじいちゃんと話がしたいんだけど、ほら…言葉が通じなくてさ…それできちんとコミュニケーションが取れるまでこっちに居たいんだ…」

「はぁー↑?何それ?」

「いや…おじいちゃんと話がしたいんだよ…」

「パパ!」

「なんだいアイファ?」

「だめ」

「どうしてだい?」

「帰るから。ママも心配してるんだよ?」

「いや…」

「なんなのもー!帰るって言ってるじゃんか!みんな心配したんだよ!?」

「あの…さ…アイファ…聞いてくれるかな…」

「なに?」

「あの…パパさ…マシンに入っただろう?そしたらさ…おじいちゃんずっと一人だったことに気付いたんだよ…
…その辺を…何て言うのかな…
きちんとおじいちゃんの気持ちを知りたいのと…その…話し合いたくてさ…」

「だから夜中に急に抜け出したの?」

「あぁ…なんかパパも面倒臭いの嫌でね…

昨日サイトウと話したら、まだまだ退院出来ないっていうからさ…
どうしても日本のおじいちゃんと話さなくてはと思って…なんか、やってしまったんだよ…」

「あー」
わかる。と思ってしまった。

私もやりたいことがあったら優先してしまう。
てかこれはパパの血筋なのか。

「はい」とパパにスマフォを手渡した。

「何?」

「ママと博士に電話して」

「あぁ電話なぁ…
そうだね。でもこれどうやって使うんだい?」

「あぁもう!貸して!」スィッスィッススススス…
「あ!ママー?着いたー。パパー?いるー。日本のおじいちゃんもいるー。
うんうん…そうそんな感じ。殴られてた。
うん…うん…わかった。
それでね、なんだかパパ、日本のおじいちゃんと話がしたいんだってさー。
そう!電話しなってカンジだよねー!
んでね、…そう、そう、うん同じこと言ってる。
あーそっちのおじいちゃんは何て言ってるの?
え?あーあーわかった。
そんなカンジね。
あのさぁ、とりあえずママ、パパと話して。
うん、そう、
ハイ、パパ」

「あ…もしもし…
キキョウ…?
うん…いや…いいんだ…
ごめん…うん…そう…
それでさっきも話したけれども…
そう…うん…だから…いや…そうじゃないんだ…
うん…うん…少し待ってくれるかな…」
とパパにスマフォを渡された。
なんだか捨てられた子犬みたいな目でめっちゃこっち見てる。

“助けて”みたいなカンジ。

何でママいつもパパにビビってるんだろ?

「あ―ママ?ダメだわー
なんかこっちのおじいちゃんと仲良くなりたいみたい。
うん、うん

パパー私学校あるからダメだってー」

じっ…て見てる!

「なんか“帰らないもん!”みたいな目で見てるんだけど…
え?あーおじいちゃんに代わる?待っててー

えーコホン。
おじいチャン、ママ」

「おぅ。
…うん。
…わかった
おまえ逹帰れ」

黄金の一言。

パパも日本のおじいちゃんが何を言っているか察してる様子…

ジャパニーズ土下座!!
ジャパニーズ土下座ですよ!!

いやー空港の出口ですよ。
めっちゃ見られてるわー通行人めっちゃ見てるわー

「…少しだけ日本に居させてください…」

声めっちゃ小さい!しかも泣いてる!

…でもパパ…おじいちゃん英語わからないぽいよ。

「…わかった」

わかったの!?
てか日本に残るの!?

「こいつら少し預かっていいか?
…うん…
…うん…
アイハも…少し…いいか?…うん。わかった」

おじいちゃんが無言でスマフォを手渡してきた。

「ママ?え?いいの?
…うん。
あーおじいちゃん言い出したら聞かないのかーそんなカンジだもんねー。
うん…うん…
わかった。
ちょびっとだけいてパパが納得したら帰るよ。
うん…うん…大丈夫だって!
はい…ごめんなさい。
うん…じゃあまた連絡するね。はい。
ハイハーイ、おやすみ〜」

チラリとパパを見るとまだ土下座したままプルプル震えている。
チワワみたい。

日本のおじいちゃんがガッシリ肩を掴むと無理やり立たせて「来い」と言った。
そして私の荷物を掴むと、日本のおじいちゃんはずんずんどこかへ歩き出した。
その背中はなんだかすごく大きく感じた。

その後ろをパパと二人でちょこちょこついていく。
「おじいちゃんが少しならいいよって言ってくれたよ」
そう話すとなんだかパパはちょっと嬉しそうだった。

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