第129話 《アイハ》3

おじいちゃんについていくと電車に乗るようだった。

切符を買ってもらい、おじいちゃんのマネをして改札機を抜ける。

後ろからビー!という音と「アウチ!」というヘタレなパパの声が聞こえてきた。

改札機に止められている。
カッコ悪い。
カッコ悪いよパパ。

頭の上の?が8個くらい見える。

手のひらを上に上げて肩をすくめるその仕草がジムキャリーに見える。

冷たい視線を浴びせていたら、おじいちゃんが無言でパパの切符を改札機に入れてくれた。

アレ?
おじいちゃんはなんだかずっと怒っているのかと思ったケド、ひょっとしたらこれがデフォルトな顔で怒ってないのカモ知れないな。
パパはなんだか出来の悪い息子のようで、岩のようなずんぐりむっくりのおじいちゃんとは対称的に見えた。
電車の中でちょこっとおじいちゃんに話し掛けてみた。

昔は日本人学校に通っていたから日本語は喋れるケド、なんだか久しぶりで緊張する。
おじいちゃんは腕を組みながら下を向き、じっと目を閉じて座っていた。

「おじいチャン」

「ん…」
片目を開けて私をチロリと見てくる。

「キョウはありがと」

「ん?…おぉ」

あれ?
これは…
(照)←これじゃないですか!?

ほんの少し、
ほんの少しですが、表情が和らいでおります!

ハハ〜ン…
さてはおじいちゃんは…
“武士”だね。

ブシ。
やっぱりいたんだー。
さすが日本だなー。
てかおじいちゃんブシとか自慢だなー。

なんか“サムライ”の方が有名だけど、私は“ブシ”派なんだよねー。

サムライってなんか颯爽としてるカンジだけど、ブシっていうとなんか武骨なカンジ?

あれー
タイプだわー。

パパはなんか言うなれば“騎士”ってカンジだもんねー。
ヒョロいんだよね。

やっぱり男は武骨じゃないとねー。
いや、パパは大好きだけどね!
タイプの話。

えーとパパはー?

あ、なんかおじいちゃんの真似してる。
パパ…きっとそれ日本の電車のマナーじゃないと思うよ…

腕組みをした二人のオッサンに挟まれた女子高校生はなんだか連行されているように見えますよ。

そんなこんなで私達はKAMATAという駅に降り立った。

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