第137話 《アイハ》11

…暑い。

…あぁ、寝てしまったのか。

窓から夕日が差し込んでいて、山がキレイに見えた。

あー外国にいるんですねぇ…

あ!パパ!

…すやすや寝てる。

ピト。
熱は下がったみたい。
ひとまずは良かった。
さすがブシおじいちゃんだな。

あーパパのこと、ママと博士のおじいちゃんに報告しなきゃ!

ええとスマフォスマフォ…

あった!

スィッスィッー
あ!ママからメール来てる!

Fromママ
着いた?落ち着いたら電話してね。

あー2:00過ぎに来てるー。

スススススス…
「あ!ママー!遅くなってごめんなさい。
うん…うん…いや、話してたんじゃなくてパパがお熱出ちゃって…うん…寝てる。
病院?
なんかブシおじいちゃんが寝てれば治るって…
あーママもいつもそうだったのかー。
うん…うん…あー本当は辛かったんだ…
うん、うん、わかった。博士のおじいちゃんにもパパのこと聞いてみるね。

んでね、とりあえずパパの調子が戻るまで居ろってー。
うん、うん、私は大丈夫。
うん、まぁそうだね。

あとブシおじいちゃんねーなんか家族の為に家を守ってるらしいよ!
ここはママの家だからって!

あ、ママ…

…ブシおじいちゃん、ママの為にお家守ってたんだね…

うん…

うん…

うん…

ママ…
ママもこっちに来ない?
パパもまだ不安定だし…
うん…
うん…

そうかぁ…
そうだね。また行き違いになるかも知れないしね…

あのねママ…
パパね、しばらくこっちにいたいみたいだよ。
うん…

ブシおじいちゃんが、家族なのに一人でいたことに自分を重ねているみたい。
…うん、そう。
それでね、パパ、自分の言葉でブシおじいちゃんの気持ちを聞きたいんだって。

うん…

あのねママ、私、パパと一緒にいたい。

パパと一緒にブシおじいちゃんと仲良くなりたい。

学校はこっちで通う。

…ダメかな…?

なんで?

だからなんでこっちの学校はダメなの!?

ブシおじいちゃんは自分で決めなさいみたいなこと言ってたもん!

いや…
ごめんなさい…

うん…
そうだね。まずはパパが元気になってからにする。

ママも考えておいて。

こっちで家族で暮らすこと。

あ…
おばあちゃんか…

うん…
うん…

わかった。
とりあえずはそんな感じで。

うん…

ママ…パパのことは任せておいて。

うん…

ママ、大好きだよ
じゃあまたね」
…ママはパパにまだ恐怖を持っている。

あとはブシおじいちゃんが苦手なんだと思う。

私のことは心配だけど、どうしていいかわからないみたい。

明確な答えがないと不安定になる人間とならない人間がいる。

ママはなる人間の方だ。

それはパパのことでたくさん悩んだからに違いない。
ママにはきっと時間が必要なんだと思う。

パパに会えなくなってからの止まった時間とは別の、
パパが起きてからの動き出した時間が。
それまでは私がママの代わりになろう。

ママの代わりにパパといよう。
ママ…そばに居なくてごめんなさい。
だけど、私はパパといたい。

私の人生の半分近くはパパといることが出来なかったから。

今はパパといたい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク