第165話 《サイトウ》6

そこで一つ誤算が生じた。

ラブイズに予想外の精神不安が発症した。

それからは君の知る通りだキキョウ。

ラブイズは私よりも先にマシンに入り、そして見事生還した。

マリーを笑顔にする為のエビデンスを持ち帰ってね。

わかるかいキキョウ。
君ならわかるはずだよキキョウ。

愛する者に心から拒否される恐怖と絶望が。

私の人生は全てマリーに捧げているんだ。

それは魂の深いところで結び付いている。

それを知って君まで私を否定するのかい?

今まで人生を掛けてまで陰日向から君達を支えてきた私を、君まで否定するのかい?

キキョウ…

マリーの笑顔を見る為には君達がどうしても必要なんだよ。

あのマシンに精通したラブイズと
そのラブイズの安定の為の家族がね。

もちろんその存在自体がマリー自身にも必要なんだ。

わかるかいキキョウ。

私の気持ちがわかるかい?

君のラブイズに対する愛情となんら変わりのないものなんだよ?

自分ばかりが否定された人生を歩んでいると思っているのかい?

ねぇキキョウ、私は間違っているのかい?

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