第182話 《アイハ》32

次の日の朝。
私達はゴージャスなホテルの食事のような朝食をいただき、屋敷を後にした。

パパとおじいちゃんは二日酔いが酷いらしく朝からぐったりしている。

シィエお姉さんが車を二台手配してくれて、それぞれの家に帰った。

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家に着くとパパはそのままベッドに転がった。
どうやら車に酔ったらしい。
しばらくすると大きなイビキが聞こえて来た。

私が荷物を片付けている途中にスマフォがバッグから転がり落ちた。

着信もメールもたくさん入っている。

一つはおじいちゃんから、
もう一つはジニアスから…

私は電源を切り、それをテーブルの上に放り投げ、無言で掃除を始めた。

ママの無言の叫び声が聞こえてくるようなごみの山だった。

ママ…

どんな気持ちでこの家に居たんだろう…

どんな気持ちで毎日を過ごしていたんだろうか…

止めどなく流れる涙を拭い、しゃくりあげながらただただ無言で片付けをした…

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…夕方…
パパがリビングに起きてきた。

私は幼い頃の誕生日のアルバムをただ見ていた。

写真の中の一才の私は泣いていて、
ママは笑顔で、
パパも笑顔で…

拭っても拭っても、涙が溢れて止まらなかった。

パパは私の隣に座って、私の肩を抱き寄せた。

私はただ、パパの胸の中で泣いた。

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