第210話 《エピローグ》

ケンおじいちゃんのお屋敷に着くと、みんな一つの部屋に集まっていた。

私達が着くと、シィエお姉さんは真っ青な顔で私に話し掛けて来た。

私は「大丈夫ですよ」とにっこり笑って、パパとママのことをみんなに報告した。

みんな、複雑そうな顔をして私の顔を見ていた。

「やだぁ、みんな!しんみりしちゃって!
いいの!私、パパとママが仲良くいてくれたらそれでいいんだ。だからそんなに心配しないでください。みんな、たくさんの力を貸していただいて本当にありがとうございます。
それと…」
チラリとジニアスの方を見る。

「あ、あーあー。えーっと、僕達、結婚します!」

みんなの目がまんまるくお皿になった。

「きゃーッ!孫孫!」
ジニアスママが叫び出したのを皮切りにみんなからたくさんの温かい言葉が次々に溢れ出した。

「おめでとうアイハちゃん!ジニアス!幸せにするんだよ」

「おぉ!ようやく約束を果たす気になったんじゃな!」

「改めておめでとうアイハちゃんジニアスくん」

「へへ!本当にめでてーな!」

「タローおまえ泣いてんのか?」

「バカヤロウ!汗だよ汗!」

ブシおじいちゃんは一番奥の席で顔を真っ赤にしながら、あのヘンテコな笑顔で涙を流して笑っていた。

それからなし崩し的にまたパーティーが始まった。

「アイハ!わしが生きているうちにひ孫を頼むな!」

「いやだぁ、ジニアスママみたいに!」

《剣・劉》
華僑の大老として影から東アジアをまとめた立役者、享年101歳。

「あら!?やっぱり子供は早い方がいいわよ!私は二人だけだったけど、あなたは若いから7人はイケるわよ!」

「ジニアスママ…7人ですか…がんばります!」

《蘭・ジーナ・劉》
劉ファミリーのビッグママ。世界的に有名な服飾メーカーのオーナーとしての顔も持つ。数多くの孤児院に出資しており、たくさんの人から愛された心優しいみんなの母親。

「アイハちゃん、私、あなたを傷付けてばかりだったわね…」

「いいんですそんな…テムズさんが居てくれたから、ママもパパも命を落とさずに済んだのかも知れません。本当にありがとうございます」

《テムズ・アルバナ》
その後、ナノマシンシステムの世界的権威として名を知られるようになる。一方、タロー、ジローと3人の共同生活を営み、それぞれの子を持つ。新しい家族のライフスタイルとして注目される。

「タローさん!ジローさん!パパとママの為に本当にありがとう!」

「まぁあの人からの頼みじゃなぁ…なぁジロー?」

「おぅ、断れねぇよ」

《タロー・カブラギ》
《ジロー・リツキ》
テムズ・アルバナの内縁の夫達。陰ながら彼女をサポートしつつ、育児にも積極的に参加。孤児院育ちの経験を活かし、共著『孤児院育ちの育児日記』がベストセラーになる。テムズ・アルバナ監修

「アイハちゃん、ジニアスを宜しく頼むね!あと、いつでも遊びに来てね」

「シィエお姉さん。本当にありがとうございます。シィエお姉さんのおかげで私、本当にがんばれました。これからも宜しくお願い致します」

『シィエ(雪)・マリア・劉』
劉ファミリーの総帥。独身を貫き一人でファミリーの牽引を担う。彼女の影の働きで、東アジア難民は過去最小に留められている。地域の発展、主にインフラの整備に力を発揮した。

「ブシおじいちゃん!」

「おぅ…」

「大好き!」
ぎゅううぅ

「…ぉぅ」

《葉内武士》
その後日本には戻らず、ジニアスの師匠として生涯マシンのメンテナンスに携わる。享年88歳(マシンに収納される)

———————–
「おじいちゃん、おばあちゃん、元気してた?私、結婚するんだよ!?」

「おぉ…キキョウ…ラブイズと遂に…良かった…本当に良かった…」

《斎藤健次郎》
ナノマシンシステムの開発者としての世界的権威。晩年は自ら設立した老人介護施設で静かな余生をおくる。享年86歳(マシンに収納される)

《マリー・リリアナ》
斎藤博士に生涯を掛けて愛された女性。最期の日を博士と一緒に迎えたのち、マシンに収納される。享年83歳

———————–
「うーん!うーん!いだああああああいッ!!ジニアス!ジニアス!いだああああああいッ!!」

「頑張れ!頑張れアイハ!もうすぐだ!もうすぐ産まれる!」

《シン(真)・ジニアス・劉》
ナノマシンシステムの権威としてその名を知られる。子煩悩、恐妻家。ナノマシンシステムをさらに発展させ、医学に多大な貢献をする。また、ラブイズらの収納されたナノマシンシステムに3Dスキャンを搭載し、現実に投影されたAIロボットの作成に成功。これにより人類は死を克服されたとした。いつでも亡くなった人の記憶に会うことの出来るこのシステムは“人工的アセンション”と呼ばれ、今でも世界中の研究対象とされている。

「うーん!うーん!えいっ!」

「おぎゃぁ!おぎゃぁ!」

「産まれたァ!男の子だぞアイハ!やったァ!産まれたァ!」

「うーん、もうダメ」

「おぎゃぁ!おぎゃぁ!」

「ハァ…ハァ…やった…」

《アイハ・劉》
ラン・ジーナ・劉の後を継ぎ、孤児やネグレストの子供達、その親を救う為のNPOを設立する。“新人類の母”として、その人生を愛に捧げた。

そして数年後…

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